
この記事では、トヨタ系工場の気になる残業事情について
お伝えします。
トヨタ系の工場勤務に興味がある方、これからトヨタ系の工場で働く予定がある方、その工場の平均残業時間知っていますか?
工場勤務は残業ありきだと思っていますか?
残業に関する考え方は人それぞれです。

稼ぎたいから残業が多い方がいい!
という人もいれば…

プライベートを優先したいから残業はしたくない!
なんて人もいます。
工場で勤務を始めてから、「思ってたんと違う…。」と言う事が無いように、勤務する前にその工場の残業時間がどれくらいかを知っておくのは大切です。
今回は現役でトヨタ系工場に勤務する私「おと」が、トヨタ系工場の残業事情についてお伝えします。
結論から言いますと、トヨタ系工場の残業時間の平均は…

…工場と部署によって様々です。
申し訳ありません。でも実際にそうなんです。
同じトヨタ系工場でも残業時間は、まちまちなんです。
少し調べると、トヨタ自動車の1か月の平均残業時間は「18.7時間程度」と書いてあったりしますが、残業時間は工場にも、部署にも、月にもよるので、この平均時間を鵜呑みにしない方がいいです。
一緒にトヨタ系工場の残業事情について知り、「だいたいこれくらいの残業時間かな?」
とイメージを持てるようにしておきましょう。
残業を沢山したい人も、逆にしたくない人も、トヨタ系の工場に興味のある方は知っておいた方がいい内容になっています。
自動車メーカーのリアルを知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
「あるある」から自動車メーカーのリアルがイメージできます。
工場は残業するのが当たり前?
これからお伝えするトヨタ系工場の残業事情は、工場勤務の中でも主に「製造ラインで実際に自動車を製造する人」向けです。
「ライン工」とか「現場」とか言われる人たちです。期間従業員や、派遣社員の方もこの「製造ラインで実際に自動車を製造する人」になります。
開発や設計の部署ですと、フレックス勤務の割合も多く、残業時間は部署どころか人によって様々になるからです。
ここでいう「残業」はライン残業の事で、実際に自動車を製造している残業の事です。
ライン外の残業は人や部署によって、やるべきことが違ってくるので全く読めません。
期間従業員や派遣社員で働く人は、基本的に残業といえばライン残業の事です。
- そもそも残業は強制なのか?
- トヨタ系工場の勤務形態
- 工場によって残業時間が変わる理由
- 最近(2022年)のトヨタ系工場の状況
- どうすれば理想の残業時間の工場に勤務できるか?
上の順に説明していきます。ぜひ最後までお付き合いください。
期間工のメリットとデメリットを比較したい方はこちらの記事もご覧ください。
そもそも残業は強制なのか?

「今日は残業して!」と言われると、どう思いますか?

残業要請されたら、残業するのが当たり前!
でしょうか?それとも…。

残業するか、しないかは個人の自由!
こちらでしょうか?
会社や職種、職場によるところも大きいと思いますが、トヨタ系工場の残業についての考え方をお伝えしておこうと思います。
トヨタ系工場では残業は半ば強制です。
これはトヨタ系工場だけでなく、工場の生産ラインで働く人の多くに言えることです。
定時を過ぎても生産ラインが止まるまでは、働き続けるのが当たり前になっています。
もちろん急な予定や、体調不良などで残業を断ることもできますが、基本的には残業するのが当たり前です。
あまりにも残業を断っていると、上司にも目を付けられますし、評価も下がります。派遣社員や期間従業員だと最悪クビの恐れも有ります。
基本的にはトヨタ系工場では、生産ラインが止まるまでは残業するのが当たり前です。
トヨタ系工場の勤務形態と残業事情
トヨタ系工場の残業時間についてお話しする前に、まずはトヨタ系工場の勤務形態について触れさせていただきます。
トヨタ系工場と一言で言っても、工場や部署によって勤務形態は様々です。
ここでは一般的に製造現場で働く人の勤務形態について説明します。
連続2交代
- 早番 6:25~15:05
- 遅番 16:00~24:40
常昼勤務
- 常昼 7:55~16:50
連続3交代
- 早番 6:25~15:05
- 遅番 13:55~22:35
- 深夜 22:10~翌6:50
完全2交代
- 昼勤 8:00~16:40
- 夜勤 20:00~翌4:40
上がトヨタ系の工場で多い勤務形態です。
トヨタ系の工場で製造現場で働くと、多くの場合は交代勤務になります。
朝早くに出勤したり、深夜に帰宅したりする多少変わった勤務形態ではないでしょうか?
1週間交代で早番、遅番が入れ替わる感じです。
次から、連続2交代と完全2交代の残業について説明します。
(常昼勤務と連続3交代は私自身経験が無く、詳しい事を書けないため割愛させてもらいます。)
トヨタのライン作業について、詳しくお知りになりたい方はこちらの記事もご覧ください。
連続2交代の残業

では連続2交代の残業事情についてお伝えしようと思います。
連続2交代は、トヨタ系の工場の多くが採用している勤務形態です。
ざっくり言うと、1直目の早番は早朝から夕方まで働き、2直目の遅番は夕方から深夜まで働く、勤務形態です。
私の体験した連続2直の残業は…
- 1直目(早番):長くて45分
- 2直目(遅番):長いと2時間越
連続2直ですと、早番と遅番の残業時間に差が出来ることがあります。
1日当たりの生産台数が多いと、早番よりも遅番の方が残業が長くなります。
1直目(早番)と2直目(遅番)の残業事情はこちら
1直目(早番)の残業

上の図のように、1直目の定時である15:05から、55分後には2直の始業開始時間になります。
1時間もしないうちに次の直に入れ替えになり、残業時間の上限が決まっているため、1直目は残業時間が短いのです。入れ替え時間を考慮して残業時間は最長45分です。
2直目(遅番)の残業

2直(遅番)の定時後、次の1直目の始業時間までは、5時間以上あるので、残業をする時間はたっぷりあります。
1直目(早番)で造れなかった分まで、時間に余裕のある2直目(遅番)で残業をしてたくさん造ります。
生産台数が多い時は、上の図のように時間に余裕がある2直目(遅番)が頑張って自動車を造ることになりますが、これでは2直目(遅番)の負担が大きくなります。
そこで、生産台数が多い時の策として、2直目の始業時間を遅らせることも有ります。
こうすることで1直目の残業可能な時間を長くして、2直目の負担を減らすことが出来ます。

1直目の始業時間は変えずに、2直目の始業時間を変えることで、直間の時間を簡単に確保できます。
生産台数が多い忙しい時などに、2直目の始業時間が変わる可能性が有ることを覚えておきましょう。
連続2交代のメリットとしては、2直目の残業は深夜残業になることです。通常の残業手当より上乗せされるので給料に影響してきます。
完全2交代の残業

続いては完全2交代の残業です。
トヨタ自動車では連続2交代や、連続3交代が主流で、完全2交代という働き方は行っていないようです。(2022年現在)
しかし、トヨタ系工場の中にはこの完全2交代で働いている工場も有ります。
私が勤務する工場も完全2交代で働いています。(2023年10月現在)
私が勤務する工場がトヨタ系の工場の中で変わっているのか?仕事が少なく暇な時は連続2交代、仕事が多く忙しくなると完全2交代に勤務形態が変化します。
私の体験した完全2直の残業は…
- 昼勤:長いと2時間30分
- 夜勤:長いと2時間30分
完全2交代だと昼勤、夜勤共に次の直の始業時間まで約3時間あるので、両直共に、たっぷりと残業が出来ます。
完全2交代で働いている時点で、忙しい事は確定です。
完全2交代だと、両直合わせて1日最長5時間の残業が出来ます。
連続2交代で5時間30分残業しようとすると、1直目が45分残業、2直目がなんと4時間15分残業することになってしまいます。
これではさすがに不公平ですよね。そこで直間の時間に余裕のある完全2交代です。
完全2交代のメリットとしては、残業が多い時に昼勤も夜勤も同じ生産台数になることです。
直による不公平感もなく、おおよその残業時間も読みやすいです。
工場によって残業時間が変わる理由

なぜ同じトヨタ系工場なのに残業時間に差が出来るのでしょう?
答えは簡単です。
その工場で造るクルマによって生産台数が違うからです。この生産台数の多さと比例して残業時間が延びていきます。
発売したてのクルマを造る工場は残業が多め
発売したてのクルマと、モデル末期のクルマでは、生産台数が違うのは当然です。
基本的に発売したてのクルマは売れます。
発売して期間が経つにつれて売れ方も鈍化していきます。
ですので、発売したてのクルマを造る工場は忙しい傾向が有り、残業が多め。
発売からしばらく経ったクルマを造る工場は暇な傾向が有り、残業が少なめとなります。
新型車の生産開始直後に、派遣社員や期間工で入社すると、いきなり長時間残業の洗礼を浴びることになります。
人気車を造る工場は残業が多め
発売から期間が経っても、受注が落ち込まない俗に言う「人気車」と言われるクルマが有ります。
人気が有り受注が落ち込まないので、生産台数は多いままになります。
生産台数が多いので、もちろん残業は多め。
残業代でがっつり稼ぎたい人には天国のような工場ですが、あまり残業したくない人にとっては地獄のような工場になると思います。
発売後、数年すると「人気車」「不人気車」が完全に分かれるので、同じ工場内でも…

第1ラインは生産台数多めで残業多め。
第2ラインは生産台数少な目で残業少なめ。
こんな風になることも有ります。
要するに造るクルマ次第で残業の多い、少ないが変わると覚えておいてください。
最近(2023年)のトヨタ系工場の状況

ではここ最近(2023年)のトヨタ系工場の状況についてお伝えします。
もちろん、工場や造っているクルマ次第で忙しさや残業時間は変わりますが、ここ数年は少し変わった状況なのでお伝えしとおこうと思います。
数年前から流行している新型コロナウィルスの蔓延により、2021年ころから変則的な生産になっていました。
新型コロナウィルスが蔓延してから、海外部品工場の操業停止や国内工場でのクラスターの発生などで、生産計画をコロコロ変えて生産しています。
特に半導体などの部品不足の影響が大きく、少ない部品を多くの工場で分け合って生産しているような状況でした。
生産台数が変則的に変わるので、残業時間もコロコロ変わります。
1日2時間残業をするハードモードから、定時前に生産台数を造りきってしまうイージーモードまで、色々ありました。
2023年になり、だいぶ落ち着いてきて、生産台数も安定しています。今までの受注分を造るためか、私の勤務するトヨタ系工場では、毎日残業1.0H以上、休日出勤の予定も多めに入っています。
どうすれば理想の残業時間の工場に勤務できるか?
では最後に、理想の残業時間の工場を見つける方法についてお伝えしようと思います。
あなたの理想の残業時間のトヨタ系工場の見つけ方は…。

無いです!
申し訳ありません。
でも残念ながらトヨタ系工場では、ここまでお伝えしてきた通り、造るクルマによって忙しさも残業時間も変わります。
勤務し始めた時が理想の残業時間だったとしても、数か月先同じ残業時間とは限りません。
とは言え、世界のトヨタです。
忙しくても、よく聞くブラック企業のように無茶な残業をさせることは有りませんし、定時前に生産台数を造りきってしまうくらい暇でも、給料が下がることは有りません。
トータルでトヨタ系工場なら、どこに勤務しても有る程度は安定した残業時間になることが多いです。
期間工を募集しているのなら、ほぼ間違いなく忙しいのは確定です。
ある程度の残業時間は覚悟しておいた方が良いでしょう。
期間工で人生変わる人と、終わる人の違いが気になる方はこちらの記事もご覧ください。
工場は残業するのが当たり前? まとめ

今回はトヨタ系工場の残業事情についてお伝えしました。

トヨタ系工場の残業事情わかりましたか?
トヨタ系工場だけでなく自動車製造工場全般に言えることですが、忙しさや残業時間は造るクルマによる影響が大きいです。
売れているクルマを造る工場は忙しく残業時間も長い。
あまり売れていないクルマを造る工場は暇で残業時間も短い。
工場によって差は有りますが、忙しさも暇さも長続きはしない。
ここ最近の新型コロナウィルスの蔓延や、部品不足の影響で変則的忙しさ、残業時間になることも有りますが、そこは世界のトヨタさん。無茶な残業もさせませんし、定時割れの暇さでも給料が減ることもない。
残業時間は月によって、まちまちでも年平均でみると安定していることが多いです。
安定して働きたい人にトヨタ系工場はおススメです。
トヨタ系工場に興味が出てきた方は、とりあえず実際にトヨタ系工場で働いてみるのはいかがですか?
>>>今、トヨタの期間工になると入社祝い金60万円【期間工.jp】

入社祝い金?なにそれ?と思った方は、こちらの記事もご覧ください。
工場のライン作業に興味がある方や、トヨタ系工場で働く予定がある人の参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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