工場勤務の方で新人が入ってきて、こんなお悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか?

覚えが悪くて大変。
何回教えても同じミスを繰り返す。
やる気が見られない。
全く、仕事の事をわかっていない人に1から仕事を教えるのは大変ですよね。
もしかしたらそのお悩み、新人さんだけが原因ではないかもしれません。

その教え方合っていますか?
わかりやすいですか?
この記事を読めば、仕事を全く知らない新人さんに仕事を教えるテンプレートがわかります。
入れ替わりの多いトヨタ系工場で実際に行われている教え方です。
自動車工場のライン作業だけでなく、様々な仕事にも使える教え方です。
職場リーダーになりたて、仕事の教え方に悩んでいる人は、ぜひこのテンプレートを使ってみてください。
仕事の教え方のコツ 7つのステップ


前提として、自動車工場では1人前になるまで新人さんは、指導する人と2人1組で仕事をします。
1人で仕事をさせて、不良品を量産させたら大変な事になるからです。
1人前になるまでの目標期間は2週間。つまり10日です。
では自動車工場のライン作業を、新人さんに教える時の実際の流れを見ていきましょう。
- 担当予定の仕事を見学
- 実際の仕事のやり方、注意点などを資料を使い教育
- 実際に担当職場で仕事を教えていく
- 仕事を細分化してできる仕事を増やしていく
- 1人ですべての仕事をやらせる
- 後ろで新人さんの仕事を確認する
- 上司の許可を得て1人立ち
全部で7ステップです。
ポイントは面倒くさがらずに、1~7を順に行っていくことです。
①担当予定の仕事を見学

新人さんが入ってきたら、まずは職場全体を見学します。
その際に、職場全体での仕事内容と、新人さんに担当してもらう予定の仕事を大まかに説明します。

この職場では内装関係の部品を取り付けています。
あなたに担当してもらうのは、シートベルトの取り付けです。
例えばこんな感じですね。
この時は細かい仕事内容などは、まだ教えません。
注意ポイント等、安全に仕事をするために大切な事や、やってはいけないこと、職場のルール等を説明します。
教えるのが下手な人は、この時点で新人さんに色々と仕事内容を説明して、教えたつもりになっていることが多いです。
この時点で細かい事を色々教えても、覚えません。
職場全体の仕事内容、担当予定の仕事内容、注意ポイント等を大まかに教える。
この時点で細かい仕事内容を教えて、教えたつもりにならない。
②実際の仕事のやり方、注意点などを資料を使い教育

職場全体の仕事内容と、担当する仕事がわかったら、次は資料を使って担当する仕事の細かい内容を教えます。
標準書と呼ばれる仕事の取説を読み込ませ、仕事内容、注意ポイント等を用紙に書き込ませます。
この標準書には仕事の手順、内容、注意ポイント等が載っています。
新人さんに投げっぱなしで書き込ませるだけでなく、様子を見ながら、フォローをしながら行っていきます。
この時に、1人立ちまでの計画表も作成しておきます。
いつまでに①の仕事をマスター、いつまでに②の仕事をマスターといった具合です。
教えるのが下手な人は、計画表を作成せずに、行き当たりばったりで教育を行っていきます。計画表は必ず作成しましょう。
フォローしながら資料教育していく
1人立ちまでの計画表を必ず作成する
③実際に担当職場で仕事を教えていく

ここまで来て、やっと担当する職場に行き、実際に仕事を教えていきます。
事前に作った予定表の内容に沿って、少しずつ仕事を教えていきます。
慣れない仕事を行うと最初は身体を痛めやすいので、立ち位置、姿勢、力の入り具合などにも気を配り、適切にアドバイスしてあげましょう。
1番避けたいのは、1人立ちする前に身体を痛めることです。
新人さんが工場のライン作業で痛めやすい部位、原因はこちらに詳しく載っています。
またこの時点では新人さんがやった仕事は全て、あなたが確認し品質を保証します。
この時点で不良品を後工程に流したら、100%あなたの責任です。
しっかりと確認しましょう。
1番避けたいのは、新人さんが体を痛める事
不良品は全てあなたの責任
④仕事を細分化してできる仕事を増やしていく


出来る仕事が増えてきたら、1連の仕事内容を細分化して、4つくらいのステップに分けて仕事をさせます。
例えばステップ①は


- Aの部品を取り出し
- Aの部品を取り付け
- Aの部品を締め付け
- Aの部品とBの部品を結合
- Aの部品を取り回し
この仕事が出来るようになったら、次のステップ②に進む感じです。
いくつかの仕事を、あらかじめまとめてステップ分けしておくことで、実際の流れで仕事を覚えさせることが出来ます。
得意な仕事、苦手な仕事もわかりやすくなります。
まとめてステップ分けして、実際の流れで仕事をさせる
ステップ分けすることで、得意、苦手もつかみやすい
⑤1人ですべての仕事をやらせる


すべての仕事が出来るようになったら、いよいよ一人で仕事をさせます。
覚えた仕事のステップを組み合わせ、基本的に1人で仕事をさせます。
間に合わないことも有るでしょうし、ミスすることも有ります。
新人さんミスをして焦っても、あなたは冷静でいてください。
あなたが焦ったり、怒ったりすると、新人さんはさらに焦ります。
「大丈夫、大丈夫。」と声をかけてあげましょう。
仕事をフォローする時は、行き当たりばったりでフォローするのではなく、あらかじめフォローする内容を決めておきましょう。
あらかじめフォロー内容を決めておくことで、新人さんもあなたも冷静に仕事を出来るはずです。
新人さんが間に合わなくても、ミスをしてもあなたは冷静に
あらかじめフォローする仕事内容を決めておく
⑥後ろで新人さんの仕事を確認する


全ての仕事が出来るようになったら、あなたは基本的に手を出さずに仕事を見守りましょう。
何かあったら、呼び出しボタンで連絡させるようにしましょう。
こうすることで、新人さんにも1人で仕事をする自覚が生まれます。
あなたの仕事は新人さんの仕事の出来を後ろで確認することです。
不良が有った場合は必ず、本人に確認させ再発を防止しましょう。
後から伝えるよりも、不良が出た時点でラインを止めて不良を確認させると、不良再発率も下がります。
何かあったら呼び出しする形にして、1人で仕事をさせる
不良品はその場で確認させる
⑦上司の許可を得て1人立ち


1人で問題なく仕事を出来るようになり、品質も安定したらいよいよ1人立ちです。
1人立ちするために、上司が新人さんの仕事を最終確認します。
運転免許で言う卒検ってところです。
ここで問題が無ければ、完全に1人立ちです。
最後にもう1度、標準書と計画表を使って、安全ポイント、品質ポイント、過去に出た不具合などを理解しているか確認して、あなたの仕事は終わりです。
最終確認は上司
安全、品質のポイントを理解しているかを最終確認
計画通り教育が進まない時は?


教え方のテンプレートわかりましたか?
もちろん新人さんにも個人差が有り、手先の器用な人、不器用な人、理解力のある人、無い人等色々な人がいます。
計画通りに教育が進まないことも有るでしょう。
計画が思うように進まない時こそ、教育担当の力の見せ所です。
苦手な仕事を重点的にやらせたり、アドバイスをしたり、動画を撮って新人さん自身に仕事の動きを確認させたり…。
あの手、この手で、新人さんを教育していきましょう。
その際、計画表を見直すこともお忘れなく。
計画が遅れているからといって、計画表を放置するのは良くないです。
計画を練り直し、常に目標を明確にしておきましょう。
計画が遅れた時こそ、教育担当の力の見せ所
計画が遅れたら、必ず計画表を見直す
仕事の教え方のコツ まとめ
今回は、自動車工場のライン作業で実際に行っている仕事の教え方について解説しました。
下にまとめておきます。
教え方のステップはこちら
- 担当予定の仕事を見学
- 実際の仕事のやり方、注意点などを資料を使い教育
- 実際に担当職場で仕事を教えていく
- 仕事を細分化してできる仕事を増やしていく
- 1人ですべての仕事をやらせる
- 後ろで新人さんの仕事を確認する
- 上司の許可を得て1人立ち
何もわかっていない新人さんに仕事を教えるのは大変です。


…あの新人さんは駄目だなぁ。
と思う前に、自分の仕事の教え方が正しいのか、疑問を持ってみましょう。
教え方のテンプレートが有るだけで、教わる側だけでなく、教える側もぐっと楽になりますよ。
自分が教育した新人さんが1人前になった時は、うれしいものです。
この記事を読んで仕事を教えることに興味を持っていただき、今現在派遣社員等で教わる側にいる方は、この機会に正社員で働き、教える側になるのはどうでしょう?


人に教える苦しさと、楽しさを感じてもらいたいです。
では最後に………。


計画通りに1人前にできたら気持ちいい!
ありがとうございました。
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