バイクや車、自転車のタイヤのバルブキャップ。もともと付いている黒いゴム製のキャップだと味気ないですよね。
バルブキャップを交換するだけで、簡単にホイール周りの印象が変わります。
でもちょっと待ってください。
その交換したバルブキャップ…。

2度とはずれなくなるかも!
そんな恐れが有ります。
本記事では私が実際にバルブキャップが、外れなくなった体験をもとに、バルブキャップが外れなくなる原因と対策を紹介。
今まさに、バルブキャップが外れなくて困っている方、特に気にせずにバルブキャップを交換した人に向けた記事です。
タイヤのバルブキャップ、黒いゴム製だと安っぽい!
アルミ?真鍮?なにそれ!
異種金属接触腐食?早口言葉ですか?
特に、こんな風に思った人は要注意!
なぜバルブキャップが外れないか、原因を知って、対策をしていきましょう。

バルブキャップが外れない原因は異種金属接触腐食

バルブキャップが外れなくなる原因の多くは異種金属接触腐食です。
聞いたことあります?
私はありませんでした。
その結果がバルブキャップが外れなくなりました。
異種金属接触腐食について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
異種金属接触腐食(いしゅきんぞくせっしょくふしょく)とは、電解液のような腐食環境下で異なる種類の金属が接触し電子電導したときに、片方の金属の腐食が促進される現象である。2種の金属と環境の間で腐食電池が形成されることで生じる。ガルバニック腐食とも呼ばれる。
Weblio
とりあえず

どんな現象かざっくり知りたい!
という方向けに、ざっくりと説明します。
異種金属接触腐食とは、種類の異なる金属と水が接触して起きる化学変化による金属劣化です。
錆びにくいアルミや、ステンレスでも他の金属と接触することで劣化が進み固着します。
簡単に言うとこんな内容です。
これだけ知っていれば、問題ないです。

なぜバルブが異種金属接触腐食になる?
続いては、なぜバルブが異種金属接触腐食になるのか解説します。

バルブの素材は何ですか?
バルブの素材を意識している人は、異種金属接触腐食のトラブルに合いにくいです。
自分のタイヤのバルブの素材わかります?
基本的にはアルミ製か真鍮製です。
アルミ製のバルブの場合、もちろんバルブキャップもアルミ製のものが付いています。
問題は真鍮製です。
純正ホイールなど、多くの場合は真鍮製が付いています。
黒いゴム製のバルブキャップが付いているのが特徴です。
この黒いゴム製のバルブキャップを交換しようとすると、トラブルが発生します。
この真鍮製のバルブに、アルミ製のバルブキャップを付けることによって、異種金属接触腐食が発生します。
真鍮とアルミの異種金属が化学変化で固着し、バルブキャップが外れなくなるからです。

バルブキャップが外れなくなったらどうする?
異種金属接触腐食については、わかりましたか?
続いては、実際に異種金属接触腐食でバルブが外れなくなったら、どうすればいいかを解説します。
結論から言いますと…

力ずくで外す!
これに尽きます。
ゴム手袋、ラジオペンチ、プライヤー、スパナ、CRC556、ラスペネ…。
手で外れないのでしたら、ハンドツールを使いましょう。
それでもダメなら、CRC556やラスペネ等、潤滑剤を吹き付けてみましょう。
軽めの固着ならこれで外れます。
とりあえずは、力ずくで外れないか試してみましょう。
力ずくでバルブキャップを外す際には、出来るだけしっかりとした工具を使いましょう。
100均などのペンチやプライヤーだと、しっかりと力がかけられなくてキャップが外れないどころか、ホイールに傷をつける恐れもあります。
しっかりとした工具で、両側から挟み込めばキャップが外れる可能性が上がります。

それでもバルブキャップが外せなかったらどうする?
ハンドツールを使っても、潤滑剤を使ってもバルブキャップが外れなかった場合を解説します。
バルブがガッチリと異種金属接触腐食で固着すると、外そうと力ずくで回しても、バルブの根元から供回りして、全く外れません。
外れそうな気配が全くない時は、自分で外すのはあきらめた方が無難です。
自分で無理やり外そうとして、バルブ破損で走行不能になったり、ホイールにキズを付けたりする可能性が高いので、プロにお任せしましょう。

ディーラー!
修理工場!
タイヤ屋さん!
ガソリンスタンド!
困った時のプロは沢山います。
付き合いのあるディーラーや、修理工場に相談するのが確実かと思います。
困った時はプロ頼みです。
タイヤの空気圧が減ってなければ、緊急では無いので落ち着いて相談先を探しましょう。
これが1番確実です。

異種金属接触腐食を防ぐには?
バルブの材質を確認する
異種金属接触腐食を防ぐには、まず自分のバルブの素材を知りましょう。
アルミ製なのか?
真鍮製なのか?
ここを知っているのと、いないのとが分かれ道です。
もともと付属しているバルブキャップを付けていれば間違いないです。
もしもバルブキャップを交換するなら、必ずバルブの材質を確認しましょう。
真鍮製のバルブのキャップを交換するなら真鍮製が確実です。
比較的、安価で売っています。
真鍮製のバルブご使用で、黒いゴム製のキャップが嫌な方は、真鍮製のメッキ加工がおススメです。
ゴムのバルブキャップ以外は、「全てアルミ!」と決めつけてかからないようにして下さい。
定期的な空気圧の点検を行う
定期的なタイヤの空気圧点検を行っていれば、異種金属接触腐食を防ぎやすいです。
バルブとバルブキャップの材質を合わせることが1番ですが、材質が違ったとしても、定期的にタイヤの空気圧点検を行うことで、バルブキャップの固着を防げます。
長い時間をかけて違う金属同士が化学変化で固着していくので、定期的にバルブキャップを外すことで、異種金属接触腐食を防げます。
タイヤトラブルの予防にもなりますので、空気圧点検は定期的に行うようにしましょう。

私の失敗談
最後に私の実際の失敗談を載せておきます。

私の失敗談です。
失敗談第1章
東北在住の私は自動車のタイヤを夏はサマータイヤ、冬はスタッドレスタイヤと履き替えるのが当たり前でした。
そう、それは2021年の事でした。11月になり降雪の季節が始まる前にと、サマータイヤからスタッドレスタイヤにタイヤ交換を行いました。
タイヤを交換し、ガソリンスタンドでエアーを調整して万事この時はOKでした。
失敗談第2章
後日、工具箱にバルブキャップが有るのに気づきました。
以前、サマータイヤを交換したときに余ったレイズ社のバルブキャップでした。
スタッドレスタイヤについていたバルブキャップは、黒いゴム製のバルブキャップだったので、

レイズのバルブキャップの方がカッコいいじゃん!
等と思い、レイズのバルブキャップに交換しました。
これが失敗でした。
失敗談第3章
バルブキャップを交換して、しばらくはエアーを調整する機会もなかったので、交換したことも忘れていました。
数か月後、高速道路に乗る予定が有ったのでガソリンスタンドで、タイヤのエアー調整を行おうとしました。
すると…
バルブキャップが回りません。
どんなに力を入れても回りません。
回りそうな予感もしません。
数分1人でバルブキャップと格闘した結果、回りそうな気がしないのと、恥ずかしさから退散しました。

失敗談第4章
ガソリンスタンドを退散した後、自宅に戻り再チャレンジ!
この時は

前回のエアー調整で固く締めすぎたかな?
融雪剤がバルブキャップの周りに固まって回らないのかな?
なんて軽い感じで考えていました。
自宅に戻り、伝家の宝刀CRC556ををバルブキャップに吹きかけ、しばらく放置。
………30分後。
グリップの良いゴム手袋をつけて、力いっぱいバルブを回します。
………回りません。ビクともしません。
困った時のCRC556が全く効きません。
CRC556で歯が立たないのであれば、物理的に回すしかありません。
プライヤーにラジオペンチにスパナにラチェット。使えそうなものを引っ張り出し、バルブキャップを回します。
幸い?バルブキャップの形状がスパナのサイズと同じだったので、スパナでバルブキャップを回してみましたが、バルブの根元ごとねじれて、バルブキャップは回りません。
こうなったら、ラジオペンチでバルブの根元を掴んでスパナでバルブキャップを回します。まったく回る気配が有りません。
お手上げです。
失敗談第5章
自分で強引に外そうとして、ホイールに傷をつけるのも、バルブがちぎれてタイヤのエアーが抜けて走行不能になるのも困るので、プロの力を頼ります。
整備工場、タイヤ屋さん、ガソリンスタンド、ディーラー、選択肢は沢山ありますが、どこにお願いするのも少し恥ずかしい…。
しかも値段設定もわからない。ということで、行きつけのディーラーさんにオイル交換のついでを装ってお願いしました。

あくまでついでを装って…。
ディーラーさんにお願いしたところ、営業担当の方は、先ほどまでの私と同じで異種金属接触腐食を知らない模様で、

固く締めすぎましたか?
バルブ結構古いものですか?
と聞いてきました。

異種金属接触腐食みたいです。
と伝えても

…はぁ~…?
とわかっていないご様子。
とりあえずサービスに回しますと、車を持っていきました。
30分程してから、

オイル交換は終わりました。
タイヤのバルブは全然回らないので、よろしければ、バルブ全部交換する前提で、壊すつもりで回していいですか?
とのことでした。
やっぱり異種金属接触腐食で固着してしまうと、ディーラーさんの力を持ってしてもバルブを壊す以外に手は無いようです。
私は

もちろん!お願いします!
と伝えて、無理やりバルブを回してもらい、バルブを全部新品に交換してもらいました。
お値段、バルブ代込5000円也。
手痛い出費でしたが、傷んだバルブで走るのも怖いし、無知ゆえの勉強代だと思い、喜んでお支払いしました。
これが私の異種金属接触腐食との最初で最後のはずの?出会いの記録です。
私のように、どうにかしてバルブを外してもらう方法では無く、タイヤの減り具合や、使用年数によってはタイヤ自体を交換してもらうのも有りです。
タイヤを新品にしてもらうのであれば、バルブを外す工賃も取られないでしょう。
焦らず、冷静に判断してベストな判断をしましょう。

タイヤバルブキャップがとれない時は?まとめ
いかがだったでしょうか?
「バルブキャップが外れない? 異種金属接触腐食の恐怖…。」をお伝えしました。
まとめておきます。
異種金属接触腐食
種類の異なる金属と水が接触して起きる化学変化による金属劣化
異種金属接触腐食の原因
真鍮のバルブにアルミのバルブキャップを付けたこと
バルブが外れなくなったら?
とりあえずは力ずくで回してみる。
それでも無理なら?
ディーラー、修理工場、タイヤ屋さん、ガソリンスタンドなど、プロに頼む。
異種金属接触腐食を防ぐには?
バルブとバルブキャップの素材を合わせる。
定期的な空気圧点検を行う。
誰でも簡単に交換できるバルブキャップ。軽い気持ちで交換すると痛い目を見るかもしれません。
この記事を読んだ人が私のように、恥ずかしい思いをしないことを願っています。
では最後に………。

バルブの素材は何ですか!?
ありがとうございました。
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