
この記事では夏は過酷な環境になる
自動車製造ラインの暑さ事情についてお伝えします。
あなたは自動車製造ラインで働き始めて長いですか?
工場の夏を経験したことが有りますか?
もしも工場の夏を経験したことが無いのであれば、本格的な夏になる前にぜひこの記事を読んでおいてください。
この記事はこんな人にぜひ読んでもらいたい記事です。
- まだ働き始めたばかりで、工場の夏は経験していない
- 働く前に夏の工場のリアルな労働環境を知りたい
- 暑いの苦手だから、夏も暑くない工場で働きたい
まだ工場の夏を未経験の方向けの記事です。
夏の工場のリアルを知って、適切に対策していきましょう。
期間工のメリットとデメリットを比較したい方はこちらの記事もご覧ください。
【工場の夏】自動車製造ラインのリアル
では夏の工場のリアルを見ていきましょう。
外でのお仕事の方は

外とは違って、屋根も壁も有る工場内は温度も一定に保てるんじゃないの?
と思うかもしれません。
普通に考えれば、屋根も壁もある、直射日光の当たらない工場の中は、温度管理も容易に出来そうです。
ところが、そううまくはいかないのが、自動車メーカーの工場のリアルなんです。
工場の中は本当に暑いんです。
私が現在働いている工場は、出来てからまだ十数年しか経過していない比較的新しい工場ですが、夏は倒れる人が続出する灼熱工場です。
【工場の夏】工場内はなぜ暑い

工場内は、うまくすれば夏も冬も同じ温度で快適に働けそうなものです。
ではなぜ屋根、壁が有り、空調も入っている工場内が暑いのでしょう?
暑さの原因は主に以下の4つです。
- 輻射熱の影響
- 広すぎて空調が効かない
- 密閉されていないくせに、風は通らない
- 設備が熱を出す
順に見ていきましょう。
輻射熱の影響
工場の暑さの元は日射による輻射熱の影響です。
輻射熱(ふくしゃねつ)とは、遠赤外線などの熱線によって伝わる熱のことで、太陽や機械(焼成炉など)から放出される熱は輻射熱になります。輻射熱の特徴は熱線(電磁波)が何らかの物体に当たった際に熱が発生します。電磁波のため空気に影響されず、冷たい風が吹く屋外でも熱が直接伝わります。
サーモバリア
屋根や壁の素材にもよりますが、高温の直射日光に長時間さらされた熱は建物内部の温度を徐々に上昇させます。1度上昇した温度は、太陽の日射が無くなっても簡単には下がりません。
工場の大きな屋根に、太陽の光が当たって熱が発生、これが夏は1日中続いて工場の中を芯から温める感じです。
広すぎて空調が効かない
自動車メーカーの工場は、簡単に言うと広いです。大きいです。天井も高いです。
空調が完備されていても、空調では工場内を冷やすにはパワー不足で、輻射熱≧空調の図式になります。
空調が頑張って工場内を冷やそうとしても、太陽の輻射熱による温度上昇を止めることが出来ない状況です。
密閉されていないくせに、風は通らない
温度上昇を止められないのは、空調のパワー不足だけではありません。
自動車工場内は、部品搬送のトラックが頻繁に出入りします。トラックが来るたびに高速シャッターが開いて、工場内に外の熱気が入っていきます。もちろん工場内の冷やした冷気も外に逃げていきます。
工場内が密閉されていないので、工場内の温度を下げられないのも納得です。
また自動車工場内は、風の流れが有りません。大型のファンを回してもなかなか良い風の流れは作れません。
その上、暑さ対策として、そこらじゅうで扇風機を回すので、空気の流れが滅茶苦茶になり、温かい空気が滞留しやすいです。
「じゃあ扇風機回すなよ!」と思うのですが、作業員は体感的に涼しさが必要なので、みんな扇風機を回しまくります。
設備が熱を出す
輻射熱、広すぎる空間、風が通らない、この3つの三重苦に加えて、さらに追い打ちをかけるものが有ります。
自動車工場全体に配備されている設備の稼働する熱です。
自動車工場を稼働する上で、絶対に必要になってくる設備も暑さに拍車をかけてきます。設備が動けば熱が出るのは当たり前ですが、工場内は色々と設備が多い!
発生する熱もなかなかのものです。
余談ですが、あまりの暑さで設備の方が参ってしまい、対策として、設備の制御盤の扉を開けて、扇風機で冷やしているのを見た時は悲しくなりました。
【工場の夏】体調不良者量産工場

この体調不良者の多くは、もちろん熱中症による体調不良です。
熱中症とは、高温多湿な環境に、私たちの身体が適応できないことで生じるさまざまな症状の総称です。
一般財団法人日本気象協会
要するに、高温多湿のダメージによる体からの悲鳴です。
熱中症の症状はこちら
- めまいや顔のほてり
- 筋肉痛や筋肉のけいれん
- 体のだるさ、吐き気
- 汗の書き方がおかしい
- 体温が高い
熱中症になると、主にこんな症状が出ます。
重症化すると命の危険も有ります。
では体調不良者量産工場の中を少しだけ見ていきましょう。
自動車製造ラインは五重苦!?
夏の自動車工場は、輻射熱、広すぎる空間、風が通らない、設備の熱の四重苦では無く、そこに軽く汗をかく運動が入る五重苦なんです。
よく夏場になると、気象情報で「今日は猛暑日なので、熱中症予防で激しい運動は避けましょう。」みたいなことを言いますが、自動車工場では運動を避けられません。
イメージとしては、夏の暑い締め切った体育館でひたすらマラソンをするような感じでしょうか?
とにかく夏の自動車工場は大変です。
どんな日に体調不良者が出やすい?
気象情報などで、「猛暑日」と言われる日は特に注意が必要です。また前日に雨が降ったりして、工場内の湿度が高い日も要注意です。
交代勤務をしていると、やはり夜勤よりも日勤です。
ざっくりと曜日で言うと、月曜日と、金曜日です。
月曜日は、週末の不摂生や、交代勤務での体のリズム調整失敗で軽く体調が悪い所に、過酷な暑さでダウン。
金曜日は、1週間働いて疲労した体に過酷な暑さでとどめをさしてダウン。
夏の工場は過酷なので、体調をしっかりと整えておかないと簡単に体調不良になります。
どの時間帯に注意が必要?
注意する時間帯は、やはり気温上昇のピークを迎える午後の2時、3時辺りです。
やはり気温の上昇が、工場内の温度を劇的に上昇させるので体調不良を発生させやすいです。
意外と盲点なのが、仕事が終わった後です。
我慢強く、責任感の強い人ほど仕事中、無理して頑張ってしまうので、仕事が終わった後に熱中症の症状が出るなんてことも有ります。
仕事終わりに、床に少し座ったら立ち上がれなくなった。体の震えが止まらない。なんて症状が出る人を毎年見ています。
我慢しすぎずに早めに上司に連絡しましょう。
整わないサウナ
輻射熱、広すぎる空間、風が通らない、設備の熱の影響で自然と工場内がサウナ状態になってしまうのが夏の自動車工場の特徴です。

サウナ好きですか?
残念ながら、サウナと、サウナ状態になってしまうは似て非なる物です。
サウナはサウナ→水風呂→休憩が1セットになっていて、数回繰り返すことで心身リラックスして整うの状態になります。
サウナ状態はサウナ状態→サウナ状態→サウナ状態の無限ループです。決して整うことはありません。
こんな人はいないと思いますが、サウナを求めて自動車工場で働くのはやめた方がいいです。
【工場の夏】過酷な夏を乗り切るには?

夏の自動車メーカーの工場の過酷さは伝わりましたか?
正直、規模の大きな工場では夏の気温上昇に対応できないのが現状です。
しかも年々、地球温暖化の影響もあり最高気温も上がっています。
働く環境自体を劇的に変えることは期待できないので、自分なりに体調不良にならないための工夫をすることが何よりも大切になってきます。
過酷な自動車メーカーの工場の夏も、元気に乗り切っている人もたくさんいます。
その人たちを見習い、工場の過酷な夏を乗り切る方法を見ていきましょう。
兎にも角にも水分補給
やはり1番大切なのは水分補給です。
水分補給を怠ると、どんな人でもたちまち体調不良になります。
ポイントは喉が渇く前に水分補給をすることです。汗をかく量にもよりますが、理想は15分から30分に1回程度は水分を補給したいところです。
できれば、一気に500ml水分補給を行うのではなく、250mlずつこまめに水分を補給しましょう。
汗をかくことで、水分と同時に塩分も体も外に出てしまうので、塩分補給も大事です。塩飴をなめるのでも良いですし、水分補給にスポーツドリンクを飲むのも効果的です。
利尿作用が有るお茶や、コーヒーは夏の水分補給には向かないので覚えておきましょう。
自動車製造ラインあるある 水分補給タイム
自動車メーカーの工場には夏になると、どこの工場も熱中症による体調不良者を出します。
その対策として、気温が上昇する時間帯に水分補給タイムがあります。数分ラインを止めて、水分補給をする時間です。
スポーツドリンクが支給されたり、職制が水とコップを持って走り回り、作業員に渡したりします。しっかりと水分補給をして体調不良にならないようにしましょう。
水分補給タイム以外でも、「水が飲みたい!」と職制に連絡すれば、水分をとる時間を貰えます。
無理して頑張られて、倒れられると余計に大変なので、夏の水分補給はきちんと対応してくれやすいです。
遠慮せずに早め早めに連絡しましょう。
インナーも見直して
水分補給の他に簡単に個人でできて、効果が期待できるものと言えば、インナーを見直すのも効果的です。
インナーを見直して、効率的に汗で体温調節できれば熱中症のリスクも下げられます。
暑い夏には出来るだけ、着用する衣服は少なくしたいと思いがちですが、着用する衣服は少なければ良いという物でもありません。
肌に衣服が肌にピタッとするのが嫌で、ゆったり目の衣服をチョイスする方もいますが、暑さ対策の目線では、ゆったり目の衣服はおススメしません。
吸汗性(汗を素早く吸い上げる性質)と放湿性(吸い上げた汗を外部に放出する機能)のある素材を選び、自分の体にジャストフィットするものにしましょう。
インナーに気をつかうことによって、効率的に汗を吸い上げ、外部に放出することが出来ます。
インナーを見直す!これも大事です!
インナーに気をつかうことで得られる、驚きの効果をお知りになりたい方はこちらの記事もご覧ください。
すべては体調管理から
過酷な夏を乗り切るためには体調管理は必須です。
水分補給も、インナーの見直しも大切ですが、特に夏は体調管理をしっかりしましょう。
充分に睡眠をとる。
バランスの良い食事を心がける。
これだけは徹底しましょう。
熱帯夜でも眠れるように寝室の温度管理に気をつかったり、食欲が無くても食べやすい栄養のある食事を摂るようにすることを意識しましょう。
「暑いからビールがうまい!」なんて感じて深酒したら体調不良のリスクも高まりますよ。
夏の暑さは体調を崩しやすい要素が沢山ありますが、自分の体調は自分で管理して体調不良にならないように気を付けましょう。
【工場の夏】暑くない工場で働きたい!
夏の自動車メーカーの工場の環境はわかりましたか?
正直、配属先にもよりますが自動車メーカーの工場の夏は過酷なことが多いです、
暑いのが苦手な方や、暑くない環境で働きたい方は、自動車メーカー以外の工場で働いた方がいいです。
扱う製品によっては、温度管理、湿度管理がしっかりとされている所でしか、製造できないものもあります。
そういった工場は、夏も冬も温度が一定で保たれています。
暑くない環境で働きたい人は、自動車メーカー以外の工場で働く事を検討しましょう。
自分一人で、理想の工場を探すのは大変です。
求人情報だけではわからないことも多いですし、膨大な量の求人から自分の希望条件に合った求人を引き当てるのは至難の業です。
そんな人は、工場選びのプロの力を借りるのがおススメです。
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【工場の夏】まとめ

今回は【工場の夏】自動車製造ラインの暑さ事情と題しまして、夏の自動車メーカーの工場の内情をお伝えしました。
いかがでしたか?
思っていたよりも過酷でしたか?
確かに自動車メーカーの工場の夏は過酷な環境です。
でも収入面や、福利厚生を考えると魅力的な職場でもあります。
暑くても、辛くても、期間工で短期間で稼ぎたいと思う人も多いでしょう。
自動車メーカーの工場の夏の過酷さを理解したうえで、しっかりと暑さ対策をすれば乗り切れない訳では無いです。
現にたくさんの人が夏の自動車メーカーの工場で働いています。
水分補給をしっかりして、効率の良いインナーを着て、体調管理を徹底すれば、熱中症のリスクも下げられるでしょう。
しっかりと対策して今年の夏も元気に乗り切りましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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